マイツール便利技

実働月数に応じて売上平均を求める


MWM編集局



マイツールで、支店別の売上実績を1ヶ月ごとに作成しておいて、ある期間の売上平均を求める場合、すべてのデータを集計して月数で割れば、月平均を求めることができます。
しかし、該当する部門が設置されていなかったために、支店によって部門ごとの実働月数が異なる場合は、平均値が実績よりも下回ったものとなってしまいます。

実働月数に応じた売上平均は、次のような方法で求められます。

・平均を求める期間の表を1行1データにする

ここでは、次のような「支店別・部門別売上」表の、1月から6月までのデータを使って見ます。
SETC命令の「10 ページの拡張」が「1‥固定」になっていると、MTL命令を実行した結果、はみ出したデータが消えてしまいます。
データが消えないように、「10 ページの拡張」の設定を、「2‥拡張」または「3‥指定拡張」に変更して、はみ出したデータが消えないようにしておいてください。
 
1. MTL命令を実行して、平均を求める期間の表を、1行1データの形に変えて、TM命令で集計できるようにします。

  MTL[Enter]

2. ここでは、1〜6ページに保存しておいた「支店別・部門別売上」の表を、1行1データの形に変えてみます。

  1−6[Enter](変更するページは1〜6ページ)
  [Enter](1行の長さは変更なし)
  [Enter](結果の書き込み先は画面)

・半年分の売上を集計する

MTL命令で1行1データにした表を使って、半年分の「支店別・部門別売上」を集計します。
 
1. 売上の集計は、TM命令を使います。

  TM[Enter]
  [Enter](画面の表を集計)
  1[Enter](縦軸は1列目)
  2[Enter](横軸は2列目)
  1[Enter](集計方法は数値)
  3[Enter](集計するのは3列目)
  [Enter](1行の長さは変更なし)

 
2. CT命令で表題を変えて、W命令で保存します。

  CT[Enter]
  支店・部門別売上(千円) 1-6月度[Enter]
  W[Enter]
  7[Enter][Enter](7ページに保存)

・実働月数を集計する

売上の集計を行ったら、裏画面に残っているデータを使って、実働月数を求めます。
 
1. X命令で、裏画面の1行1データの表を、おもて画面に表示します。

  X[Enter]

2. DL命令で、売上が空白の行を削除します。

  DL[Enter]
  C3=””[Enter](3列目が空白の行を削除する)

3. TM命令を実行して、支店別・部門別の実働月数を集計します。

  TM[Enter]
  [Enter](画面の表を集計)
  1[Enter](縦軸は1列目)
  2[Enter](横軸は2列目)
  2[Enter](集計方法は件数)
  [Enter](1行の長さは変更しない)

 
4. CT命令で表題を変えて、W命令で保存します。

  CT[Enter]
  支店・部門別売上(千円)実働月数[Enter]
  W[Enter]
  8[Enter][Enter](8ページに保存)

 
集計の結果、C支店とD支店被服関係の部門で、実働月数が他の支店と異なっているのが分かります。

・串刺し演算で平均を求める。

ここまでの作業で、半年間の支店別・部門別の売上と実働月数が求められました。
次はこのデータを使って、支店別・部門別に月平均の売上額を求めます。
 
1. 売上の平均は、TP命令で串刺し演算を行って求めます。

  TP[Enter]
  7−8[Enter](計算するページは7〜8ページ)
  /[Enter](計算の種類は割り算)
  [Enter](結果の書き込み先は画面)

2. CT命令で表題を変えて、W命令で保存します。

  CT[Enter]
  支店・部門別売上(千円)月平均額[Enter]
  W[Enter]
  9[Enter][Enter](9ページに保存)

 

上記の方法で、実働月数に応じた、支店別・部門別の月平均額が求められます。
 
この表と、集計した売上額全体を単純に6で割った場合と比べると、かなり違いがあることが分かります。

R[Enter]
7[Enter](7ページの「支店・部門別売上(千円) 1-6月度」を読み出す
MTR/6[Enter](全体を6で割って、6ヶ月間の平均を求める)

  
実働の平均では、C支店の婦人服部門は全支店中2番目に高い「7451千円」なのに対し、単純に6で割った場合は「2484千円」で、全体で一番低い数字となっています。
経営者が単純に6で割った数値だけを見た場合、「C支店の婦人服部門は成績が一番悪い」と、誤った判断を下し、無駄な経費の発生につながる恐れがあります。

どちらの数字を経営分析に使うかは、経営者の考え方次第です。
しかし、より実態に近い数字の方が、経営の判断材料としては、生かせるデータだと思います。

虫食いのある表のデータを集計する際、この方法を使えば、より実態に近い数値が導き出せます。
お試しください。

 

・補足

MTL・TM命令について詳しくは、「命令辞典」をご覧ください。

 


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