マイツール便利技

特定のデータだけを計算する


MWM編集局


 

マイツールの計算式は、計算場所指定に条件式を使用すると、条件と一致する行・列だけを計算することができます。
たとえば、

  「1列目が“田中商事”の行だけ、2列目と3列目を掛けて、結果を4列目に入れる」

といった計算を行いたい場合は、

  C2*C3=C4,C1=”田中商事”

という計算式を入力します。
このように、条件式を使うことで、表の必要な部分だけの計算が行えます。
計算場所指定に使用できる条件式には、以下のようなものがあります。

 

条件名 指定方法 指定例
列挙指定 指定したデータを選ぶ C1=東京,大阪(1列目が東京か大阪のもの)
大小指定 大小を比較する C1<100(1列目が100未満のもの)
NOT指定 指定したデータ以外のものを選ぶ C1<>0(1列目が0以外のもの)
OR指定 条件のどれか合うものを選ぶ C1=1!C2=2(1列目が1のもの、または2列目が2のもの)
文字検索 指定した文字を含むものを選ぶ C1=神奈川*(1列目が神奈川で始まるもの)
カラー検索 文字や背景色から選ぶ C1=#赤,黄(1列目の文字色が赤で、背景色が黄色のもの)

計算場所指定に使用できる条件式は、SH命令の条件式と同じ書き方をしますが、範囲指定、最大値・最小値検索の条件式は、使用できません。
たとえば、

  「1列目の年月日が、2002年6月15日から21日の行だけ2列目と3列目を掛けて、結果を4列目に入れる」

といった計算を行おうとして、

  C2*C3=C4,C1#20020615−20020621

という計算式を入力すると、

  

のメッセージが表示されて、計算が行えません。
このように、一定の範囲のデータだけを計算しようとする場合は、あらかじめ計算したい範囲の文字色や背景色をSHU命令で変えておいて、カラー検索の条件式を使うと便利です。

 

・SHU命令で選択したい範囲に色を付ける

次のような表で、2列目の年月日のうち6月16日から6月22日に買物をした会員の買物ポイントを、通常の5%から8%に変えたい場合、まず最初にSHU命令で変えたい範囲のデータに色を付けます。
 

 

1. 「仕事は=」の状態で、SHU命令を実行します。

 SHU[Enter]

 
2. 検索するページに画面を指定すると、1番目の条件式を聞いてきます。
ここでは、2列目が6月16日〜22日までのデータを範囲指定します。

 [Enter]
 C2#20020616−20020622[Enter]

 

3. [Enter]キーを押して、検索条件の指定を終了すると、書きかえを一度に行うかどうかを聞いてきます。
ここでは、[Y]キーを押して、「一度に」を指定します。

 Y[Enter]

 

4. 「どの列を書きかえますか」と聞いてきます。
ここでは、検索した行の16列目の「買物ポイント」の色を変えるように指定します。

 16#[Enter]

 

5. 書きかえる文字の色を聞いてきます。
ここでは、「0‥黒」を指定します。

 0[Enter]

 

6. 書きかえる背景の色を聞いてきます。
ここでは、「4‥赤」を指定します。

 4[Enter]

 

7. もう一度、「どの列を書きかえますか」と聞いてきます。
[Enter]キーのみを押して、指定を終了すると、検索したデータの文字色・背景色が変わります。
ここでは、9・11・17・18・21行目の16列目のデータが、文字色が黒、背景色が赤に変わります。

 [Enter]

 

 

・色を付けたデータだけを計算する

SHU命令で色を付けたデータだけを、計算結果場所に指定する場合は、カラー検索で条件式を記述します。
 
1. 「仕事は=」の状態で、金額の8%計算して、買物ポイントに結果を書き込む計算式を入力します。

 C14*.08=C16

 

2. 計算式に続いて、計算場所指定をカラー検索の条件式で指定します。
ここでは、16列目で文字色が黒、背景色が赤のデータを指定します。

 C14*.08=C16,C16=#黒,赤

 

3. [Enter]キーを押して計算式を実行すると、カラー検索の条件式で指定したデータだけが計算されます。

 [Enter]

 

計算終了後、CPS命令を実行して[Enter]キーのみを押すと、文字色が白・背景色が黒の状態に戻ります。
SHU命令で変えた文字色・背景色を、元の状態に戻す場合に、お試しください。

 

このように、SHU命令で特定の条件と一致するデータだけ、あらかじめ文字色・背景色を変えておくと、計算結果書き込み先の指定に便利です。
計算場所指定で使用できない範囲指定も、この方法で計算できるようになります。

 

・補足

計算場所指定について詳しくは、「命令辞典」のC命令をご覧ください。
SH・SHU命令について詳しくは、「命令辞典」をご覧ください。

 


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